あこがれの一戸建てだが、雪かきが大変だ

北海道出身でもない私が北海道で土地探しをしてマイホームを購入した話。私は男ばかり4人兄弟の次男坊として埼玉県で生まれた。大学時代、北への憧れがあって札幌に移り住んだ。卒業後は札幌本社の企業に就職。結婚して文字通り「道産子」となったが、サラリーマンとしては転勤も覚悟しなくてはならなかった。社会人5年目で東京支社への異動の辞令が出た。それも営業部だ。高度成長期に入ったころだった。上司には「3年間行ってこい」と言われたが、実際は足掛け9年間の東京勤務。中央線沿線の郊外の小さなアパートに住んでいた。6畳、4畳半にキッチンという間取りに親子3人。そのうち二人目の子供も生まれて4人家族で暮らすことになったが、広いところに引っ越すことは簡単にできることではなかった。
札幌にマイホームを建てる同僚が目立ってきた。うらやましさが募る。焦ってくる。早く本社に戻らないと家を建てられなくなるのではないか。なんであいつは転勤もなく内勤で、着々とうまいこと人生設計をやっていられるんだ。俺だってもっとうまくやりたいよ、と思うのは人間のサガだ。9年間の東京勤務の間、私より後に東京に異動になって私より先に本社に帰る奴もいたくらいだ。マイホームのことは考えまいとしても時々はどうしても頭をよぎることだった。
そうこうする内、札幌の知人から地下鉄の第3線「東豊線」の新駅計画がほぼ出来上がって、周辺の土地のいくつかを知らせてくるようになった。いくら何でもそろそろ札幌に戻るタイミングは近いと踏んでいた私は、この種の情報を有難く受け止め、その知人と相談しながら新駅に近い土地付き中古住宅を購入した。
私はまだ東京勤務だったから、すでに空き家になっていたその中古住宅を、札幌出張の折、見に行った。道路側から、あるいは裏に回って「ためつすがめつ」見回している私を見て、近所の住民はさぞかし怪しんだに違いないが、小さな庭があってちょうどいい背丈のオンコの木(櫟の木)が植えられており、私はとても気に入った。
いよいよ転勤で札幌に戻ってから、中古住宅を取り壊し新居を構えたが、オンコの木はそのままとした。ヒヨドリなどの野鳥が通う小さな庭が自慢だ。
ただ、年齢とともに冬の雪かきが大変になってきた。若いころ、そんなことは全く考えなかったのは、まさに若気の至り。北国に住む者は冬の生活をしっかり頭に入れて人生設計をするべきだ。この頃私もマンションに移ろうか、と思案している。

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